やっと「MOTHER」をクリアしたけど。感想
Nintendo switch onlineで、「MOTHER」をクリアした。二十歳こえてのプレイなので、やっと。
めちゃくちゃいい評価しか聞いてこなかったので、自分がこういう感想に至ったことに不安を抱いてしまった〜〜〜。面白かった、けど、けど、、です。あまり良いことは書けなかった。
ネタバレしかない みんなもやってみよう!
ん〜?ってところ
ストーリーがあるようでない。あれよあれよと進んでいく。クイーンマリー城って名称で「この人が祖母のマリアか」って分かるんだけど、おそらく宇宙人に連れ去られたのに何でここに?って疑問が残る。そしてラスボス戦でやっと点と点が繋がる感じはしたが、それまでは何故主人公が冒険に出る必要があるのか、他キャラが共に旅に出るのか、といったカナメに説得力がなくて、目的なく進んでいる感覚に陥り、ぶん投げそうになった。いや一応、祖父がPSIの研究してて…とか家族が行方不明になって…とか説明してるけど、説明があっさりしすぎてて、薄いシナリオに見えてしまう。
というかギーグ戦で色んなこと判明しすぎて、MOTHER1は2の壮大なあらすじだったのか? 2もやる予定だし楽しみだね〜
また、個々のキャラクターの深掘りがないのが一番残念だった。深掘りされてなかったよな・・・? 浅く触れただけに感じたんだけど・・・。冒険中にみんなと仲が深まる過程もないので友情の芽生えが唐突に感じる。(って思うと、テイルズのチャットシステムってめちゃくちゃよくないか!? ギスギスしてるところも描くし…成長感じられるのがいいよね)
例えばロイド、最後に成長を見せるため、弱い存在として描こうとしてあんなステータスになった。わかる。けどやっぱロイドの弱虫さを掘り下げるシーンが少ないから、は?弱すぎる、ってただただ不満になっちゃうので、もっと描写ほしかったよ〜
イヴは思い出作る前に死んじゃうし😭そんなのってないよ😭活躍時間短すぎて涙も出んわ
アナも、ダンスシーンも文脈なく、ヘテロが作ったチープな理想って感じがした。まぁでもみんな子どもだし、コロッと好きになっちゃうか、そんなもんか…
あとちょっと、初期のファミコンって感じのシステムでびっくりすることが沢山あったよ!
グッズ、技の説明が皆無。マップも大雑把すぎる。フィールド広いんだからどこに居るか分かるようにして欲しいよ!自分で地図作っちゃったよ!(むしろこれで楽しんでいたのか…?)
あとね戦闘がオートで出来るのはいいが、倒したあと別の敵に狙いを定めずそのまま攻撃しようとして失敗するのはやめてほしい…
面白かったところ
とはいっても良かったところも沢山ある。魅力的なNPC、敵、面白いアイテム、そういうこだわりは非常に感じたし、当時だったらとっても斬新で、ほかのRPGと一線を画しているのは分かった。MOTHERに影響を受けた様々なゲームについても理解した。
だって冒頭から部屋の家具と戦うんだもん〜〜びっくりするよ〜
寄り道大好きマンなので出てくる人みんなに話しかけるしイベントあったら再度会っちゃうんだけど、そこら辺こだわってるのは良かった。看板とかも。
くしゃみして風邪うつされるとか! お酒飲んで留置されるとか! ルーラやそらをとぶに慣れていたので、テレポーテーションで助走必要なのびっくりした(めんどかった…)。
子どもが持てるような武器で統一されていて、人や動物を倒したときは「おとなしくなった」といった文言で統一されているのは良かった。
テキストを楽しむんだね。
お金の預入をATMでやるのは、何度も死ぬけどお金が減らず便利だった。また、セーブを公衆電話でやるなど、細かい手間が私はむしろ良かった。
多様な敵キャラがいて面白い。音楽も敵に合った軽快な音楽になったりするのはいい。フィールドのBGMも良いよねー。マジカントの哀愁ある感じ。スノーマンの切ない感じと、ピアノ曲みたいな連符、すごく良かった。
ギーグが弱すぎると感じられるほど、終盤の敵の強さが跳ね上がりすぎて難易度設定どうなってるんだよ!!!!と思った。頑張ってレベル上げしたしノミとシラミいっぱい持っていったけどね。むしろ燃える感じはあるけどね。
しかしやりながら、ふつうの子どもたちが戦っているという前提のもとで、難易度を設定しているんだったら、この理不尽さも納得できるなとは思った。だからMOTHERはレベリングを楽しんだり戦闘の爽快感を味わうんじゃなくて、世界観を飲み込んで楽しむゲームなんだと理解した。
けどなー、今のゲームって、戦闘はサクサクでシナリオで説得感を出すものが多く、そっちに慣れているので違和感があったし、今の世代の人たちがやったら評価割れそうだなあ
とはいえギーグ戦の不気味さはいい意味でゾクゾクした…倒し方分からなくて子どもの頃だったら涙目になってたと思う。(てかミュウツーにめっちゃ似てた〜〜どゆこと〜〜意味深でいいね)
ただやっぱ総評としては細部に凝ったのにゲームとしてうまくまとめられてない感じが否めない。それをキャッチコピーでいいように見せている感がある(広告の真髄)
説明不足を妄想で脳内補完していく
説明がないので、脳内補完でやっていくしかない。とにかく一区切りさせたいので妄想してみる。
マリアは聖母、つまりMotherであり、作品内ではそういった慈しみ象徴であり温かい性格であったと推測するのが妥当である。
1900年代のはじめ、1組の夫婦が行方不明になった。夫はジョージ、妻はマリア。2年を経て、夫だけが帰還した。
事件前、謎のラップ現象や他の人たちも短期間で失踪する怪異が起きていた。(マザー百科より)
この2年、夫婦は宇宙人に連れ去られ、ギーグ(赤ちゃん時)の世話をさせられていた。ジョージは抵抗するが、マリアは受け入れ、愛を持って育てた。そうしている間も、宇宙人による地球侵略の計画は進められていく。宇宙人たちはPSIという超能力を使った。ジョージとマリアも、そいつたちと暮らす間に能力が芽生えた。それを以って地球を助けようと、ジョージは脱出を試みる。マリアはギーグのもとに残ることを決めるが、PSIによって、テレパシーにように意識を繋げられるようにした。これが日記のキーワードである。ジョージは地球で研究を進め、老いて亡くなり、マリアも老衰。しかしギーグたちを止めたいという思いが、マジカントという精神世界を生み出した。また、地球の各地に子守唄のメロディーを封印した。(すべて脳内補完)
こんな流れかなー??? こうなってくると、子守唄が謎に感じられる。ギーグを愛という感情が欠落し受け入れることができない存在とすると、子守唄はマリアの愛そのものであり邪悪となる。のでギーグが苦しんだのもわかる。またはギーグがマリアの愛を感じていたとすると、当時を思い出して無意識に精神的ダメージを受けていたと解釈することもできる。あまりに説明がないので、判断し難い。2でわかるといいな。
P.S.
ここまで書いたあと、色々な人の感想ブログを読んでいた。このブログ読ませていただいたんだけど共感しかない!!!!文章も面白い笑
2って1の続編じゃないってマジですか…? でも俺はやるぞ。名作とか色んなゲームが影響を受けてるって評判なんだもん。「MOTHER」が終わったら、ラブデリック系…「MOON」あたりもやりたいなと思ってます!
ミュージカル『雨に唄えば』観たメモ
やっぱ名作(と言われる作品)は観ておきたいというミーハー心でチケットを取った。ど真ん中で長良席。
ダンスと歌のうまさが、素人目でも素晴らしいと分かった。カテコのカラフルな傘、美しかったなぁ。
水が滝のように流れてきてめちゃくちゃ面白かった。あれ排水どうやってるんだろう…? 上演できる劇場も限られてくるのかな。アダムクーパーが、水溜まりをけって観客に浴びせてたのがお茶目な感じだった。
和訳が傍に映し出されるのを初めてみた。なんか、訳で「あづまや」って言葉が出てきたのが引っ掛かった。あと、牛乳配達がくる、みたいなんもあったけど、アメリカでもそういう文化あるのだろうか?
自分で聞き取ることができたら面白さもひとしおだろうなあ。
しかし、個人の感想だけど、リナの声をばかにすることで進んでいくストーリーをどうしても受け入れられなかったし、全然笑えなかった。価値観の違いだと思う。リナを憎む理由も私はさほどないし…最後の行動はさすがによくないけれど。フィクションだとしても、憎むべき理由があまりない相手にうざいって思うのが嫌だから、ちょっと…だった。
1月観たものなどメモ 順番は適当
本
『うしろめたさの人類学』松村圭一郎著(途中まで)
『人間椅子』江戸川乱歩(2周目)
映画
『偶然と想像』@Bunkamura ル・シネマ
『水俣曼荼羅』@アップリンク吉祥寺
『マトリックス』配信
舞台
『消えていくなら朝』配信
『だからビリーは東京で』@東京芸術劇場シアターイースト(2回観た)
『hana-1970、コザが燃えた日-』@東京芸術劇場プレイハウス
漫画
『風の谷のナウシカ』最終巻まで
『地獄の教頭』(漫画アプリで読んで気になって全部いってしまった笑)
ゲーム
『アンリアルライフ』hako生活
アニメ
『平家物語』放送分まで
音楽
「Rain Drops」
展示
「上野リチ展」@京都国立近代美術館
京都国立近代美術館常設展
そのほか
アンリアルルーム@アンテルーム京都
最近観た映画の覚書『ミッドサマー』『ドライブ・マイ・カー』
『ミッドサマー』
誰かと観るのがおすすめ(悪魔の囁き)
フェミニズム分析の視点を持つ友人は、ダニーが男性たちから解放され幸せを掴んだという見方をし、ハッピーエンドとしていて、ほー、と思った。
私は…異なる文化に出会ったときに、面白がったり、恐怖したり拒絶したり、敬意を失ってしまうことへの罪深さみたいなのを考えていた。そういう点では、卒研のネタにされ村がぐちゃぐちゃになってしまうのは防げたので、村的にもハッピーエンドなのかもしれない…
とはいえ顔がぐちゃぐちゃになって恐怖を煽ったり気持ち悪がらせる演出ばっかりだったんだけど。性行為が見守る対象っていうのも絶妙に気持ち悪かった。
あとは共同体の(ゲゼルシャフトっていうんだっけ??)歪なあたたかさも感じていた。外部の人間からしたら絶望でしかないけど、村の人たちにとっては希望みたいなズレ。痛みも悲しみも快感も共有して、人と深く繋がろうとし繋がれる場所ではある。
幸せな気持ちで崖から飛び降りるけど、これは人権侵害なのか、とかも、現実では議論されるところだなー。炎に包まれて体が燃える瞬間後悔するのかな。
あーーあとキマってる時にどのヤクブーツを飲んだのか知りたい。クリスチャンが飲まされたのはコカインっぽいとは思った。
卒論やってる人にジョシュの言葉は使えるね。あれいいね。ネットミームにしよう。
残り思ったこと羅列。
・スウェーデン語ではMidsommarなんだー
・最初の絵、女性に人が群がる絵画って、村に関係してたりするのだろうか。
・コミューン出身って言い方するんだ→フランスの地方自治体の最小単位で、スイスの基礎単位らしい。不勉強
・テーブルでジョシュたちが光、ダニーが影という演出だった→しかし結果としては逆だった
・クマの檻が開け放たれてみんなぐちゃぐちゃにされそう→ならなかった
・北欧って大麻合法化?→スウェーデンは禁止。
・バッド入った時にみた人が、クリスチャンの相手になった女性か?
・バッテストウバーンってなに?→アッテストゥパンで、崖って意味らしい。
・ブルーシートがたくさん敷かれていたけどなんだったんだ。
・骨、肉、たまごで埋めてたけどホルガ村流親子丼かな?
・クリスチャンは精子提供としての役割が終わったから処分されてしまった
・邪悪なものを見立てて浄化するというお祭りだった。だから最後火で燃やすのか?
・クリスチャンが吹きかけられた粉はなんだったの?
北欧神話も関係しているっぽいので、どこかで解説とか読めたらいいなー
確かに面白かったけど、考察班になれるほどはのめり込まなかったかも。
『ドライブ・マイ・カー』
面白かったけど、好みかと言われるとそうではない。こういうのあるよね。
特に前半なんかは性行為と自慰行為の話ばっかりであった。友達誘って見たのちょっと後悔した…草。喘ぎながらも淡々と脚本を語っているのが奇妙で、こういうのが美しいと感じて書いたんだと思うとムズムズする。性行為の後にインスピレーションが湧いて物語を紡ぐ女性というのになんかウケてしまった。世間一般でいう村上春樹っぽさがなんとなくわかった。
ただチェーホフの『ワーニャ伯父さん』のメッセージと家福たちの状況を重ねながら進んでいく展開は面白かったし、まぁ何が好きかって『ワーニャ伯父さん』の言葉たちなんだけども。4年前に読んだ記憶だけがある。サーニャを手話でやるというのがよかった。サーニャの演技、まさに何かが起きていた感じした。あと全体的に楽しめたのは、濱口さんのおかげなところが非常に大きい気がする。『偶然と想像』もかなり良かったけれど、なんか一瞬一瞬が美しいんだよな。雪のシーンなど。
最後の展開をどう解釈するかで結構分かれた。私は、自立して車をどうにか自分で買って犬をパートナーとして過ごしているのかな、的に観てしまったんだけど、同行者は村上春樹のことだからそれはないのでは、と言っていて、確かに犬は夫婦の象徴として登場していたのだからここでも同じ意味だとすると、あー。残念。私、自分の理想を重ねすぎだな。
濱口さんの映画もっと観たい。『寝ても醒めても』も、『スパイの妻』も観てない。映画を落ち着いて観られる精神状態になったのが最近だから仕方ないんだけどもっと早くに観られていたらなあ。
「THE HEROES展」行ってみたよう
森アーツセンターギャラリーで「THE HEROES展」を観た。自分一人では行くという発想がなかったのだけど、せっかく刀好きの友達がいるので、一緒に行ってみた。
ボストン美術館に所蔵されている浮世絵118点と、関連する刀剣の展示。
浮世絵が結構面白かった。昔は全く興味なかったんだけど(失礼)、ちょっと前に『天皇と賤民の国』(沖浦和光著)読んだのを思い出して、かなり見方が変わった。例えば「土蜘蛛」は天皇に反抗した身分(身分というのも権力者が制定したものだけど)の低い人々のことで、「土蜘蛛」と人ならざる者として扱われた結果、浮世絵にも化け物みたいな姿で描かれてしまった。けれど、本当はその時代を生きていた一人の人だった。こういうのを知ってからここに出てくる妖怪っていうのは本当はどんな存在だったんだろうと考えて鑑賞するのが楽しくなった。展示のストーリーとは全然違うんだけれども。
とにかく歌川広重の絵が並んでおり仕事量とんでもないなと思った。しかし月岡芳年の絵の方が私は好きだったな。伏目の感じとか、繊細なところとか。
刀コーナーはさっと流す人も多かったが、友人みたいにまじまじと目を向けてみると色々な違いが見えてきて面白かった。光忠の刃紋が細長く小さく揺れて上品で一番推しだった。
写真は面白くて撮ったやつ。
『天日坊』を見たときには、ここでの浮世絵を思い出しながら鑑賞したよ。
『天日坊』、歌舞伎役者さん、すごすぎるね
『天日坊』をシアターコクーンで鑑賞いたしました。当方観劇初心者。
歌舞伎も、コクーン歌舞伎もはじめて。いやそもそも、チケットを取った時点では、コクーン歌舞伎というジャンルであることすら知らなかった。ただ、駅で見かけた広告に惹かれて、歌舞伎も経験として観ておくかぁ、くらいの気持ちだった。
お話に着いていけるか不安だったのだけども、観終わった後は「チケット取った私、マジ良くやった…お前は偉い」の気持ちだった。超良かった…。
歌舞伎って、全くの初心者からすると、詳しい人は着いていけるけどそうでない人にはなかなか敷居が高そうで、静かで厳かなものっていうイメージだった。あと、言葉の違いがあるから難しそうとも思っていた。
冒頭で小難しい言葉が並んだとき、「あーこれミスったかも。」と思った。「全然何言ってるかわかんねぇ頭が処理できない。」けど、そこから一気にクドカンらしいノリに変わっていって、相関図的に混乱した点はあれど、きちんとお話にのめり込んで楽しむことができた。それと観ている人の熱気を感じたような気がする。現場ならではの感覚だけれども。拍手、手拍子があるからかなぁ。『フェイクスピア』のラストで、会場が緊張に包まれたのをはっきり覚えているんだけど、まさにそんな感じで、観客を感じられたんだよな。あれもすごい。
あと、盛り上げるのうますぎ! 脚本で佳境はあるし役者さんの見せ場もあるんだけど、生演奏のおかげでそれがぐんと際立っていた。あのバンドなしにはここまで沸る感じはなかったのではと思ってしまうほどで… つまり歌舞伎って、ポテンシャルすごいなということ。いろんな演出の可能性があるんだわ。
歌舞伎役者さんの演技力は目を見張るものだった。こんなにすごいの…? うまく言葉にできないんだけど、私がよく観るような演劇の役者さんとはまた違った味があって、虜になった。歌舞伎ファンの友人から「そりゃ幼少期からずっとやってるんだよ」と言われ、確かに…。
身体能力も、びっくりした。中村勘九郎さんが船から飛び降りるシーンで、一瞬静止したの、腕の力⁉︎⁉︎ かっこよ…。それにこれは、演出的には全く真新しいものじゃないらしく、興奮するほどじゃないのかもしれないけど、ラストの殺陣の動きの滑らかさが、”ガチ”やった。そして、途中ぴたりと止まって、ポーズを取るところ…歌舞伎流のファンサなのかな?あれ、カッコ良すぎるでしょ…。ブロマイド買っちゃうのわかるわ。役者さんを目立たせる場面を作るっていうのも、歌舞伎……新鮮で面白いな。
『天日坊』というお話は、あの混乱を極めた時代に翻弄された人の「何者なんだ」という叫びが、興味深いと思ってしまった。あのお話が、歌舞伎として大衆に共有されたんでしょ、というと当時の観客たちも、自分は何者なんだという問いを考えていたということで…不思議な感じがした。
あ。木曽、今井について、先日観に行った「THE HEROES展」で、浮世絵や解説が見られるので関心がある方ぜひー! 結構面白かったです!